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プラスチック成形加工学会第32回年次大会

当社は富山県立大学との共同研究により、ポリグリセリン骨格を活用したセルロースナノファイバー(CNF)の分散技術を開発しました。CNFは軽量で高強度、再生可能であり環境調和性に優れるといった特長から、樹脂の強化繊維として期待される先端素材です。しかし、CNFは親水性繊維のため疎水性樹脂への分散性が悪く、均一分散した複合樹脂を作製するのが難しい点が課題であり、樹脂中での凝集を防ぐ分散剤が求められていました。今回、当社のポリグリセリン誘導体に関する設計技術と、富山県立大学の持つ樹脂複合技術、フィラー分散技術を組み合わせることで、ポリグリセリン脂肪酸エステルを用いたCNFの分散に成功しました。ポリグリセリン系分散剤はCNF表面と多数の水素結合を形成し、強力に吸着することで繊維表面を疎水化するとともに、繊維同士の水素結合による三次元ネットワークの形成を部分的に阻害することで凝集を抑えます。樹脂複合材料の混練時に添加することで、ポリプロピレン(PP)樹脂中でのCNF凝集物を低減させ、複合樹脂の機械特性を改善します。本成果は、プラスチック成形加工学会第32回年次大会(2021年6月17日)にて発表を行いました。

PPへのCNF分散状態 (左:分散剤なし、右:分散剤あり)

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